生物は原始水の中で生まれた。
長いこと植物も水中、海中で生き続けた。昆布、海草のようにである。
オゾン層が発達していない陸上では、紫外線が強く、その上乾燥が激しく生存出来なかったからである。
やがて、紫外線対策をし、更に乾燥対策をしたコケのような姿の植物が上陸を始めた。
そこに雷鳴が轟き激しい雨が降る。
稲妻が走れば、空中窒素が尿素に固定する。
この尿素の含んだ雨が地上に降りそそぐ・・・。
このトタンに植物死骸が陸上に出来た。
直ぐに、陸上の支配者である菌に、この植物死骸をエサにするものが現れた。
このことが現在まで脈々を継続されている。
これが地球の植物の炭素循環の原点である。

現在も森林に誰も肥料などやらなくとも植物は育つ。

現在でも多くの植物が水中暮らしをしている。
しかしラン科植物に「水生ラン」は発見されていない。

湿地帯に生息するラン科植物は「サギソウ」など多くはないがある。
しかし純然たる水生ランはない。
なぜか・・・・???

ここに菌根植物の謎が隠されているのではないか。
水中ではカビ類の材木腐朽菌は生息できない。
このことは、水中では材木腐朽菌(ラン菌)による枯れ落ち葉の炭素循環は不可能である。
更に、材木腐朽菌は好気性菌。
酸素の少ない水中では生きることは出来ない。
水中は嫌気性菌が支配するエリアである。
ランの種子が水に落下しても、そこには発芽エネルギーを供給してくれるラン菌がいない。
自然界の水では発芽できない。

しかし、ここで一つ問題が出る。
無菌培養の培養基ではランは発芽出来る。
少なくとも発芽出来るランがある。
メリクロンではプロトコーム状のPLBは液体培養で行える。
生存出来るだけの酸素が水中にあれば生存も生長も出来るのである。
なぜか・・・・。
その理由は、培養基に糖が添加されているからである。
この糖が浸透圧の作用で細胞内に吸収される。
ラン菌の菌糸の働きが無くとも、細胞は糖を吸収出来るのである。
水中の窒素も吸収出来る。
しかし、これは自然界の存在しない「無菌状態」という条件である。
自然界で培養基の糖のようなあれば、たちどころに多くの微生物が住み着く。
醗酵、腐敗が起こる。
ランが生きられる養分環境は短時間に破壊されてしまう。
枯れ落ち葉のセルロース、リグニンを多くの生物、微生物狙っている。
激しい争奪戦を演じている。
ランに勝ち目はない。

ランの自生地を見れば解かるように、山全体がランの自生地になっている場所はない。
限られた環境条件のところに自生している。
この環境条件で最も需要なのが、ラン菌、枯れ落ち葉である。
ところが、実際のラン栽培では、最も重要な前記の二つの条件が削除され、
NO3、NO4・・・・以下の条件がアレコレ吟味され論じられている。
自生地において、ランの原点ともいえるプロトコームを発見したものがいない。
これがランお現状である。
砂上の楼閣である。


   
    なぜランに
       水生ランがないのか?
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kouza 11y